結構TwitterのDMで台湾の大学入学についての質問が今でもくるので、台湾の大学に関する情報のニーズってまだあるんだなと思っています。今や入学をサポートするエージェントも増えており、ネット上の情報も増えてきているんですが、こういったエージェントの露出が増えるにつれ、『台湾の大学に進学する』という進路自体もメジャー化しつつあるということなんでしょうね。
というわけで、私の所にも時々台湾への進学に興味のある日本の高校生からメッセージが届きます。よくあるのはやはり中国語能力に関する質問です。
ところで日本人って、中学高校合わせれば六年間も英語を勉強しているわけじゃないですか。「じゃあ来年から英語圏の大学に通って学位とれるよね?」って自問してみましょう。
できると思いますか?ちょっと頑張ればなんとかなりそう?そんなの無理に決まってる?
では、台湾の大学に入学するのに、一年の中国語学習で足りると思いますか?
エージェントのホームページに『台湾の大学に進学して中国語と英語スキルを身につけよう』って書いてあったから、大学に入ってから中国語を勉強すればいいと思った?
確かに一部の台湾の大学でも英語だけで授業を行う学科はあるので、中国語ができなくても入学・卒業できる可能性はありますが、多くの大学・学科では中国語能力は必須です。
前提の前提、台湾の大学に入学する方法
注意:
2020年の台湾大学の外国人学生の入学申請スケジュールは大幅に変更されています。例年国立大学の出願はその年の1月ごろでしたが、2020年9月入学は2019年11月末が締め切りになっています
台湾大学の國際學生2020年入学申請のスケジュール、今年の8月から申請が始まって11月29日締め切り、2020年1月8日に合格発表(奨学金の結果)含むって、他の大学もこれに合わせるのか、台湾大学だけ良さそうな学生を先にとってしまいたいのか…https://t.co/EgTVCHOJcdpic.twitter.com/I3wz5fmXhr— amikawa (@amikawa125) June 21, 2019
確実な情報は國立台灣大學國際事務處を確認してください
2020/2021 申請資訊-國際學位生
ここで一旦”入学までに必要な語学レベル”と、”入学してから授業についていくのに必要な語学力”を分けて考えましょう。
というのも、大学の入学申請期間は、大学入学の10ヶ月〜半年前であることが多いからです。なので申請の時点で各学科の入学の基準であるレベルに達していることが最低限必要です。
各学科の基準って何?という方は、まずはどんな大学・学科があるかを調べる
【台湾の大学進学】大学や学科を選ぶ際の情報収集のしかた
気になる学科が見つかったら、毎年各大学のサイトで発表される学科ごとの外国人学生入学に関するページをチェックする。そこに必要な中国語や英語のレベルが記載されています。
台湾大学の場合はこのページ。毎年専用のページが開設されるので、今回はトップページのリンクを貼っておきます。画像のように、ページ左側のメニューの『國際學位生 → (年度) 申請資訊』をクリックすると、詳細ページに移動します。
これまで見てきたように、入学申請の時点で中国語能力の証明を提出する必要があります。それは学科によって華語文能力測驗(TOCFL)高階級だったり、HSK5級だったり様々です。
繰り返しますが、台湾の国立大学の申請時期はその年の1月頃が締め切り。私立ではもう少し遅くまで受け付けている大学もあります(各自で調べてください)。台湾大学は2020年度はなぜか2019年11月末が締め切りと早くなっているので要注意。
ほとんどの学科で求められるレベルは、華語文能力測驗(TOCFL)の進階級や高階級程度だと思います。試験はリスニングとリーディングの二項目。
進階級と高階級のレベルにはどのくらいの学習時間で到達するのかというと、
台湾など中国語圏での学習なら360時間〜960時間。それ以外の地域では720時間〜1920時間の学習で到達。必要なボキャブラリー数は2500語〜5000語(幅が広い)です。
一年間(四学期)台湾大学の語学センターに通った場合の学習時間:
180時間 × 3学期 =540時間
150時間 × 1学期 =150時間
合わせて690時間。これだと進階級と高階級の中間くらいですね。運が良ければスコアが高階級レベルに達するかも?というレベルです。
これでも危なそうなので、日本にいる間に中国語の基礎はやっておきましょう。
大学申請の締め切りまでに間に合わせる学習計画は、各自で計算してください。
先生によっては授業で使うスライドをあらかじめアップロードしてくれたり、授業後にアップロードしてくれたりもするので、予習や復習に使えます。
授業は基本的にはこのシラバスに沿って行われます。授業の前に予習をしておけば、使われるであろう概念やボキャブラリーなどを予測できるので、授業中に焦る可能性を下げられます。
とはいえ、入学したばかりの頃は読むスピードも遅いので授業までにリーディングが終わらないことはザラでしたし、文献はほとんど英語だったりで、うまくいくようになるまでに時間がかかりました。
参考記事:一年の前期、初めての講義のパニックを振り返ってみる
例えば高校時代数学の成績がいつも5だった人と、中学で数学をすでに諦めてしまったような私が台湾の大学で微積分や統計学の授業を受けたとしたら…?私は言語能力以前に概念を母語でも理解していないので、当然中国語でなんて理解できる望みは薄いです。
このように、母語でどれだけ勉強をしてきたかが分かれ道です。日本にいる間に参考書を買い集めたりして、大学に入ってから自習できるように備えておくと安心です。
また、台湾大学の図書館は日本語の書籍もたくさん収蔵しているので本当に助けられています。
そんな時に気軽に質問できるクラスメイトがいたら、いいですよね〜。ほとんどの台湾人や同じ外国人学生や華僑生、みんな親切です。よっぽどのことがない限り。
私みたいに人付き合いが苦手でも、クラスメイトとは無理に友達にならなくてもいいんです。グループワークで滞りなく協力できるくらいの距離感でも大丈夫です。とにかく困ったことがあったら質問できるくらいの人間関係をキープしましょう。
なんかクラスメイトのグループに溶け込めないな〜という時は先輩や、TA(ティーチングアシスタント)に聞いたり、教授に聞いたり(こっちの方がハードルが高いと感じる人は多いかも)というのも、授業についていくための処世術です。
ただ必須の条件として、入学申請時に必要な中国語レベルの証明を用意できること。
入学してからは使えるものは何でも使うくらいの意気込みで。日本語の参考書を使ったり、クラスメイトや先輩に頼ったりして、サバイブしましょう。
過去にも同じような内容の記事を書いていました。
参考記事:華語文能力測驗のレベルが入学基準を満たしていても、授業についていける保証がされたわけではない
ask.fm
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一年の中国語学習って、いつからいつまでの期間のこと?
まずは”一年間の中国語学習”の”一年”を定義しましょう。9月の大学入学までに一年以上の時間があったとしても、それより前に現れる「入学申請」の時期に規定のレベルの中国語能力の証明が必要です。入学申請時に必要な中国語レベル
これまで見てきたように、入学申請の時点で中国語能力の証明を提出する必要があります。それは学科によって華語文能力測驗(TOCFL)高階級だったり、HSK5級だったり様々です。
繰り返しますが、台湾の国立大学の申請時期はその年の1月頃が締め切り。私立ではもう少し遅くまで受け付けている大学もあります(各自で調べてください)。台湾大学は2020年度はなぜか2019年11月末が締め切りと早くなっているので要注意。
ほとんどの学科で求められるレベルは、華語文能力測驗(TOCFL)の進階級や高階級程度だと思います。試験はリスニングとリーディングの二項目。
進階級と高階級のレベルにはどのくらいの学習時間で到達するのかというと、
進階高階級華語文聽力測驗的適用對象為:引用元:國家華語測驗推動工作委員會
- 母語非華語之人士。
- 在台灣學習華語的時數達360-960小時,或是在其他國家、地區學習720-1920小時。
- 具備2500-5000個詞彙量。
台湾など中国語圏での学習なら360時間〜960時間。それ以外の地域では720時間〜1920時間の学習で到達。必要なボキャブラリー数は2500語〜5000語(幅が広い)です。
ゼロ初級から始めて一年間語学センターに通ったとしたら
台湾大学の語学センターでは、1日3時間(週15時間)の授業を受けることができます。一学期は12週間(約3ヶ月)なので、授業時間は180時間。冬学期のみ10週間なので150時間です。一年間(四学期)台湾大学の語学センターに通った場合の学習時間:
180時間 × 3学期 =540時間
150時間 × 1学期 =150時間
合わせて690時間。これだと進階級と高階級の中間くらいですね。運が良ければスコアが高階級レベルに達するかも?というレベルです。
これでも危なそうなので、日本にいる間に中国語の基礎はやっておきましょう。
大学申請の締め切りまでに間に合わせる学習計画は、各自で計算してください。
大学に入学して授業についていけるレベルの中国語って?
やっと本題ですね。一年間(もしくはそれ以上)の学習時間で、台湾の大学の授業についていけるのかというお話です。個人的な経験からすると、大学の授業についていけるかどうかは中国語能力だけの問題ではありません。シラバスを読んで予習しておけば、授業ならなんとかなるはず
大学の授業というものには、学期の最初に配られる(もしくは大学のサイトで公開される)シラバスというものがあります。そこに毎週の授業内容や、読んでおくべき文献、その他参考資料などが記載されます。先生によっては授業で使うスライドをあらかじめアップロードしてくれたり、授業後にアップロードしてくれたりもするので、予習や復習に使えます。
授業は基本的にはこのシラバスに沿って行われます。授業の前に予習をしておけば、使われるであろう概念やボキャブラリーなどを予測できるので、授業中に焦る可能性を下げられます。
とはいえ、入学したばかりの頃は読むスピードも遅いので授業までにリーディングが終わらないことはザラでしたし、文献はほとんど英語だったりで、うまくいくようになるまでに時間がかかりました。
参考記事:一年の前期、初めての講義のパニックを振り返ってみる
背景知識の有無
母語でその学問についてどれだけ理解しているかが、中国語で授業を受ける際の理解度に大きな影響を与えます。例えば高校時代数学の成績がいつも5だった人と、中学で数学をすでに諦めてしまったような私が台湾の大学で微積分や統計学の授業を受けたとしたら…?私は言語能力以前に概念を母語でも理解していないので、当然中国語でなんて理解できる望みは薄いです。
このように、母語でどれだけ勉強をしてきたかが分かれ道です。日本にいる間に参考書を買い集めたりして、大学に入ってから自習できるように備えておくと安心です。
また、台湾大学の図書館は日本語の書籍もたくさん収蔵しているので本当に助けられています。
クラスメイトに頼れるコミュ力
大学でうまくやっていくための重要な要素としてコミュ力があります(私にはないものです)。授業で聞き取れないところがあった、宿題のやり方がわからない、など大学生活で困ることはいくらでもあるかと思います。そんな時に気軽に質問できるクラスメイトがいたら、いいですよね〜。ほとんどの台湾人や同じ外国人学生や華僑生、みんな親切です。よっぽどのことがない限り。
私みたいに人付き合いが苦手でも、クラスメイトとは無理に友達にならなくてもいいんです。グループワークで滞りなく協力できるくらいの距離感でも大丈夫です。とにかく困ったことがあったら質問できるくらいの人間関係をキープしましょう。
なんかクラスメイトのグループに溶け込めないな〜という時は先輩や、TA(ティーチングアシスタント)に聞いたり、教授に聞いたり(こっちの方がハードルが高いと感じる人は多いかも)というのも、授業についていくための処世術です。
まとめ
総じて、一年間で身につけられる中国語能力なんてネイティブには到底及びませんし、個人差もあります。でも語学力は高ければ高いに越したことはありません。ただ必須の条件として、入学申請時に必要な中国語レベルの証明を用意できること。
入学してからは使えるものは何でも使うくらいの意気込みで。日本語の参考書を使ったり、クラスメイトや先輩に頼ったりして、サバイブしましょう。
過去にも同じような内容の記事を書いていました。
参考記事:華語文能力測驗のレベルが入学基準を満たしていても、授業についていける保証がされたわけではない
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